魚との出会い・・・Scene13 ホンモロコ

超久しぶりに書庫にある、「魚との出会い」について書いてみたいと思います。
 
今回の魚はホンモロコ」!!
モロコとは大きな河川から水路または小さな池でも生息する
国内で一番ポピュラーな魚と思います。
 
その種類は思い出しただけでも
・タモロコ
・コウライモロコ
・デメモロコ
・イトモロコ
等々、よく見ないと同一の魚と思える種類が生息しています。
 
関西地方では現在人気のタナゴについては釣魚と言う感覚は無く
雑魚、ニガブナでひとくくりされ網で捕獲する子供の遊び相手程度でした。
その中でもモロコについては完全な対象魚で釣具屋でもモロコ専用のウキや
仕掛けも多く取り揃えていました。
 
釣の中でも近所の水路や小河川で遊べるモロコ釣りは年配者や
子供の遊び相手で暇を見つけてはモロコ釣りだったとおもいます。
 
そんな一昔前の話が今回の思い出になります。
 
当時、祖父が元気で幼少の私を連れて近所の河川に出掛けていた頃は
メインの釣魚はハヤ(オイカワ)を主体に釣りをしていましたが
ひょんな事で一匹のモロコを釣った事から始まります。
 
私には普通のモロコにしか見えなかったのですが祖父は色めきだっています。
 
こんな場所にホンモロコ」がいてるんやー!?」
またその場所に一流しすると同じサイズのホンモロコ
本来は私の釣のアドバイザーで来てるはずの祖父、私そっちのけで
必死でホンモロコとやらを釣っています。
 
時間にして1時間程度でしたが3m足らずの竹ののべ竿で魚篭が
いっぱいになるほどモロコを釣り上げています。
 
子供心にこんなにモロコ釣ってどうするんだろう!?
 
次に出た祖父からの言葉は。。。。。
「よし!! これで十分なおかずになる!!」
 
えっ!!
やっぱり食べるつもりだったんだ!!
 
以前にも記事に書きましたけどこの祖父、奈良の吉野出身で川魚はなんでも好きで
いやいや食べさせらる魚は多かったですけど、田んぼのモロコは流石に食べていた
事は無かったのですが、この河川でのモロコ 本当に嬉しそうに釣り上げた魚を眺めてます。
 
自宅に到着すると、早速鍋で醤油と砂糖を使い飴炊きを作り始めました。
あの、佃煮のにおいと独特の川魚の匂い。。。。
 
私的にはそれまでに食べさせられた川魚「アユとかイワナ等の一般的で無い魚」の
味は単純にハラワタが苦く お世辞にも美味しいと思った事が無かったんですよ!
 
ぐつぐつと煮立った鍋から水分が飛び、甘ったるい匂いと少々、焦げっぽい匂いが混じった頃
「そら出来た!!食べてみろー」
えっ!! 私が最初に毒見するの。。。。。!???
 
でも祖父の顔はとっても嬉しそう!!
おっかなびっくり、その飴色に煮詰まった魚を口に入れると
思ってた苦味は少なく、「あれ!! 食べれそう」
確かに、子供ですんでこれはすごく上手い!!とは思いませんでしたが
確かに食べれる魚だと思いました。
 
それから時が流れ、ホンモロコは近場の淀川流域では姿が見られなくなり
「本当は今でも居てるのかも!?」
琵琶湖の一部での生息が一般的に知られるようになり、その数も一時期減少して
いたと思うのですが、ここ数年前から生息域をさらに北に伸ばして、結構な数で
見られるようになりました。
 
イメージ 1
 
昨年は食べれるほど釣りに行って無かったのですが、今年は久しぶりに
ホンモロコの佃煮を祖父が笑顔で作っていた記憶を思い出し
ちょっと作って見たくなりました。
 
例年春3月から4月が産卵期で特定の琵琶湖流入河川に集まる魚ですが
この時期からは北の広い範囲に居てそうです。
 
琵琶湖のホンモロコ 細長い魚体とモロコにしては苦味の少ない
不思議な川魚の思い出です。