魚との出会い・・・Scene15(後編)

一時期アクアリウムから離れた時期が有りましたが
子供が言葉を交わす頃には子育てにも余裕が生まれ
熱帯魚屋に立ち寄った際、嫁を口説いて小さな水槽から
再スタートが始まりました。

オールインワンの小型水槽がはやり始めた頃だったかな!?

少量の水草とポピュラーな熱帯魚。
そしてアクアリウムに興味を示し始めた嫁を熱帯魚や巡りに。

その後、水槽の数が一本、二本と。。。。。

釣りと並行してアクアリウム雑誌も購読。
そこには熱帯魚屋紹介のページも!!

少し離れた場所ながら大型店舗を覗いた時に
砂利も無い水だけが入ったベアタンクに見慣れた形状ながら
見たことの無い真っ青な魚体が!!

そうなんです。
ディスカスなんですよ!
名前は「ブルーダイヤディスカス」子供の頃に
熱帯魚の王様だったディスカスの品種で一転も曇りのない
輝くブルーの体色。

一目ぼれしてしまいました。
5センチ足らずの小さなディスカス、価格は一匹1万円!!

その時には諦めましたが、数か月後思わぬ形で手にすることに・・・・


それはお店のオープン何周年かの特売の日!!
会員登録してたのでダイレクトメールが!!

ブルーダイヤの幼魚が5匹で2万円程度とか!?


当時はバブル絶頂期!
少なからず我が社の景気も上向き気分で賞与も今では考えられない程の
支給率でしたからねー!

水槽とセットで即買!!

サイズは3~4cm程度だったかと。
でもその時に知ったのが、ディスカスハンバーグなる餌。

昔からディスカスには赤虫やらイトミミズが良いと言ってましたが
明らかにディスカスハンバーグを与えた成長率は高い!!

その代わり、水の汚れも半端なく。
毎日、帰宅後一番に自分の食事をほっといて、水替えの毎日。

すくすくと成長し、半年で親らしく。
無事に成長した5匹のディスカス、そのうちペア行動が見られるように。

オスが、メスの横でブルブルと体震わせてメスもブルブルと返すと
ペアー成立とか!?


2匹のディスカスを残し他の3匹は既に我が家のメインタクトなる
90センチ水草水槽に収容。

産卵筒を投入し、ブリーディングを期待します。


数週間後、産卵行動を起こし卵を守る親の姿が。
ところがふ化しないんですよー!

何度も同じ産卵を繰り返しても。。。。

当時、変な噂もありました。
ブルーダイヤの繁殖が出来ないとの。

価格の崩壊を防ぐために生殖機能を制御したブルーダイヤが
殆どだとか!?

信じがたいのですが結局、数十回の産卵でもふ化まで至りません
でした。

でも水槽の中では綺麗に成長した姿を数年間楽しませてくれたんですけどね!


その後、普通のレッドロイヤルとかを飼育すると簡単に産卵、ふ化そして
あの子供の頃に憧れた、親魚の体に吸い付く稚魚の姿も楽しませてくれました。


週末の熱帯魚屋巡りは定番となり、その後海水魚水槽
そしてこれまた、流れの如く無脊椎水槽へ!!

しかしサンゴ飼育はやっぱり難しい。
強力な照明が必要で、水質にもうるさい、そして水温も低すぎても
高すぎても調子を崩す。。。。。。

この頃にはバブル崩壊で景気は急降下。
維持費も大変。

丁度その頃に出会えた人の面白い話があります。


仕事の取引先だったんですけど、自宅を改造した小さな工場で
細々と人工海水を作られている会社がありました。

ジャマリンラボラトリー

作っている人工海水は「マイシー」という商品
この商品は実は以前から知っていました。

子供のころに通ったペットショップでも取り扱っており
そこそこ良い値段だったと思います。

社長兼作業者のご老人(多分出会った頃でも70歳以上かと)
私の会社の機械を使って、岩塩にコーティングしてたんですけど
これまた、へんこつで頑固なじじいー(すみません。。。。)
半分クレーマーの様に連絡が入ります。

行くと、ここに錆が浮いているとか動きが悪くなったとか。
流石に塩を混ぜるんで錆びるでしょう!?

工場兼実験室の黒板には英語(ドイツ語かな!?)の文字と
あまり見たことの無い元素記号が点々と・・・・

この人、こんなややこしい元素記号やら書いて調合してる割に
一般的な話が通じないのかなぁー

「ステンレスは錆へんのやろー」
あのーステンレスでも錆びにくいだけで錆は来ますよ!

そんなこんなで呼びつけらる事が頻繁に。

でも、話してると結構面白かったり。
ちょうど、マイシーを知っていること。
海水魚を買っていること。

そんな会話もクレーマーじじいーの心が開けたのか
色々面白い話を教えてくれました。

サンゴの飼育はこうするんだよー!
こう言うタイミングで育てるとサンゴも産卵するんだよーとか!?

でもちょっと信じがたく、ホラが混じっているのかとも
思ってました。

知り合いに水族館の館長が居たり、友達は何々の著者だったりと
でも、そのお友達は今!?って聞くと殆ど亡くなったといってます。

えっー!!
このじじいー 70歳以上なのかな。。。。

この人との付き合いは数年間。
家族はいない様子で、そのうち、弟子と言う50代程度の
作業員が一名増えていましたが、「辛い!!」とぼやいており
次に伺った時には姿が見えませんでした。

流石にヘンコツじじーいの下で働くのは厳しいかと。。。。


しかしこのヘンコツじじーいと会うのが一つの楽しみにもなって
来てました。
別件で近くに寄った時にも顔を出したり、魚の事を聞いたり。

○○さんここの調整、明日準備して出直そうかぁ!?
すると、明日は何でも東京に出掛けるとか!?

なんでも、明日は学会で表彰して貰えるとか言ってますよ!

とうとう、ボケが始まったか。。。。。


その後、仕事も忙しく出張続きの合間の事務所にこの人からの
電話が!!

○○君!! 話したいんで来てくれよー!
いつもとトーンの違う様子。
気になり予定をずらしてうかがう事に!!


実はな、廃業しようとおもっとるんだ!!
えっ!!
あと誰もされないですか!?

なんでも某メーカーが特許を売って欲しいと何度か
来たそうですが、やっぱりヘンコツじじーい

長年コツコツと研究してきたオリジナルを変に変えられるのも
嫌で断ったそうです。

そして、○○君、今までありがとう。
そして、海水魚まだやっとるんだろう!?

大口の業務用は水族館に寄贈するけど、小口の人工海水好きなだけ
持って帰れと!!

もって帰えれと言われても流石に嵩張る人工海水。
それでも数百リットル作れる分だけ頂きました。

のちに、仕事序でに立ち寄っていた工場兼自宅はなくなり
何処かに行かれたのが寂しい限りです。

その後、そのじじーいとはお会いする事が無くなりましたが
人工海水を見ると今でもふと思い出します。


後にこのじじーいの言ってた事を調べると本当に
学会で功績を認められ表彰されていたり某水族館の
立ち上げに協力したりとしてたようです。(ボケ老人じゃなかった。。。)

あれから数十年、まだ健在なのかな!?


じじーい お世話になりました。


魚との出会いscene15 だんだんストーリーから外れて
しまいましたが、今もアクアリウムは続けています。


時代の流れとともに飼育道具の進化は激しく
飼育方法も変わって来ています。

でも、今でも水槽始めらる方のスタートって
こんな話からでは無いかと思います。


次回は釣りネタでの「魚との出会い」を綴りたいと思います。